「この前ライヴハウスでツェッペリンを大音量で聞いたらすごかったんよ」
いつもは冷静な手島さんがやや興奮気味に話しを続ける。
「レコードを爆音で聞くイベントやりたいけど、どげん?」
こんなきっかけで夏の終わりにJUKE RECORDS×SALON DE HAREMコラボ
「爆音レコード鑑賞会」を開催しました。
イベント紹介文をそのまま掲載します。
御清聴ください。
コロナ禍の見えない不安が続く中、ライヴハウスの新しい楽しみ方を提案したい。
そんな思いから企画したのが「爆音レコード鑑賞会」です。
御清聴くださいのキャッチフレーズが表す通りDJクラブイベントとは
主旨が異なります。みんなで盛り上がるというより個々が耳を澄ませて
爆音でしか到達できない音を堪能していただくイベントです。
第一回は50年代から80年代ロック中心の選曲になりますが
いわゆる懐かしのヒットパレードではありません。
JUKE RECORDSおすすめの名盤、名曲の中からおなじみのアーティストでも
大音量で聞いておもしろい曲、新しい発見がある曲を厳選してプログラムを組んでいます。
さぁ、自宅のオーディオシステムでも高性能ヘッドフォンでもたどり着けない
ライヴハウスだからどっぷりのめり込める音楽の世界へ! By salon de harem
JUKEとHAREM 二つに所属する私が準備を担当。
かける曲を年代別に整理して更にアメリカとイギリスに分ける。
50年代アメリカ、60年代アメリカ&イギリス、70年代アメリカ&イギリス、
80年代アメリカ&イギリスの7つのパートに。
候補にあげたのは各パート約30曲。合計220曲くらい。
曲順は固定せず現場判断。パートの順番もランダムに。
レコードをかけるだけではなく、その曲に合わせプロジェクターで写真、
アーティスト名、曲名も出してわかりやすくしました。
更にゲスト2名を招いて「イギリス3大ギタリスト名演集」
「大音量で聞いたらまったく違うぜビートルズ特集」というスペシャルコーナーも増設。
色々大変な事もありましたが準備段階ですでに楽しかった。
昔購入したDJセットをリビングに広げ、明け方まで選曲作業。
久しぶりに遠足前のウキウキ気分。レコードを聞く楽しさをあらためて感じました。
そしてなんと言っても大音量で聞く快感は素晴らしかった。
自分たちで企画しておいて言うのも変ですが大音量がこんなにいいとは。
ライヴでの大音量とは違う感覚。
じっくりと冷静に大音量で聞く行為は
音が耳に入って来るというより、ずっしりと腹に入って来る感じ。
「爆音レコードは体の奥、体の芯に来る」
是非音楽好きの方に体験してもらいたいです。
第2回爆音レコード鑑賞会計画中。
大音量で聞いて特によかったものをピックアップ
①BEACH BOYS / GOOD VIBRATION (BEST OF BEACH BOYS)
1966年ブライアンウィルソン絶頂期。元々複雑&ポップに構築されている曲なので
素晴らしいのは当然ですが大音量で聞くと更に輝きを増す感じ。圧倒されました。
フィルスペクター関係も大音量でどんな感じか期待していましたがそれほど印象は
変わらなかった。
②CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL / BORN ON THE BAYOU (BAYOU COUNTRY)
CCR、1968年のセカンド。A面一曲目。サンフランシスコ出身とは思えない南部感。
ヌメッとした空気を醸し出すギターフレーズとエフェクト処理。突き刺さるように
放たれるジョンフォガティのシャウト。この独特の世界観が大音量で増幅。やばかった。
③ROLLING STONES / SHAKE YOUR HIPS (EXILE ON MAIN ST.)
ストーンズ1972年の中期代表作。名盤。メインストリートのならず者。A面3曲目。
スリムハーポ、カヴァー曲。どの曲をチョイスするか迷いました。
アルバムの空気感がよく出ている曲を大音量で聞いてみたかったので
あえてシェイクユアヒップスに。反復するギターブギリフ、鳴り続けるリムショット
ヴォーカルに鋭く呼応するボビーキーズのサックス。大音量で引き込まれました。
④STEVE MILLER BAND / FLY LIKE AN EAGLE (FLY LIKE AN EAGLE)
スティーブミラーバンド1976年作。大音量で聞いたらいいに決まっていると
予想はしていましたが予想以上でした。日本では人気ほぼゼロのスティーブミラー。
曲はいいし、歌うまいし、ギターうまいし、ルーツミュージックにも強いし、しかも人柄もいい。
唯一の弱点は見た目にキャッチーさがないとこだけ。
⑤BEATLES / COME TOGETHER (ABBEY ROAD)
しびれました。大音量効果抜群。何度も聞いた曲なのにドキドキしました。
⑥U2 / I STILL HAVEN’T FOUND WHAT I’M LOOKING FOR (JOSHUA TREE)
イベント当日、時間制限で60年代イギリス編と80年代イギリス編はできず
最後に一曲だけということで選んだのがU2。
1987年作。イーノ&ダニエルラノワプロデュース、ミックスはスティーブリリーホワイト。
当然、音は良いです。大音量でその音質を上回る「気」のようなものを感じた。
この曲の邦題は「終わりなき旅」。「自分が探し求めているものを今だに見つけられていない」という
歌詞もなんとなくイベントの最後にぴったりでキュンとしました。