2019.06.13 /

フジジュンのROCKどげん?6

 

 

ロックからブラックミュージックへ。

その① ATLANTIC RECORD アトランティックレコード

 

20代前半、ロック少年の関心は徐々にブラックミュージックに広がります。

アトランティックレコードを知ったきっかけもチェスレコード同様ストーンズでした。

ROLLING STONES NO.2収録のEverybody Needs Somebody To Love。

原曲はソロモンバークさん

 

「ロックンロールの始まりはビルヘイリー、プレスリーから」というロック一般常識について、

そんなことはないなと薄々気づいていましたがパンク少年にはロック史を紐解く情報も音源もありません。

ネットなんて無いですから。

色んなものを同時に追体験するのでジャンル、地域、年代もごちゃ混ぜ。

70年代、60年代までは何となくわかるんだけど、それ以上遡ると曖昧になっていました。

そんな頃にソロモンバークさんと出会いアトランティックレコード本体へ。

ちょっと乱暴な言い方ですがチェスレコード&アトランティックレコードを多少理解した時に

自分なりにロックの歴史とはこういうことなんだと思えるようになりました。

 

アトランティックレコードは1949年トルコ人のアーメットアーティガンさんを中心にニューヨークで誕生。

小さいインディーレーベルからスタートして世界的レコード会社に成長していきます。

この会社には重要人物が数人います。

初期のロッキン&ジャンピンジャズ時代のアーティガンさんの相棒、

会社の礎を作ったミュージシャンでもあるジェシーストーンさん。

レーベルの広がり深みを作った南部黒人音楽大好きプロデューサーのジェリーウェクスラーさん。

アトランティックの音そのものを作り上げたエンジニアのトムダウドさん。

ヒット曲を量産して貢献したソングライターチーム、ジェリーリーバーさんとマイクストーラーさん。

ジャズ部門を担当したアーメットアーティガンさんの兄、ネスヒアーティガンさん。

個性派が揃ってぶつかりながらチームワークが出来上がりドリームを掴み取る。

いかにもアメリカ的なわかりやすい物語が出来てしまいそうです。

実際はどーだったかわかりませんが

エンジニア、トムダウドさんを中心に描いたドキュメンタリー映画があります。

「トムダウド、いとしのレイラをミックスした男」2003年マークモーマン監督。

アトランティックレコードを理解するにはとてもいい。

機械に強い理数系のトムおじさん、すごいです。しかも音楽のセンスもいい。

本編中のインタビューで

「レイチャールズ、ローランドカーク彼らは目が見えません、彼らと仕事することで聴力が研ぎ澄まされました」

と感謝の言葉を述べるとこが印象的。

 

50年代R&Bを中心に快進撃、ジャズ部門も増設。

60年代にはサザンソウルの名門スタックスレコードと契約、

そして60年代後半から遂にロックのフィールドにも進出します。

きっかけを与えてくれたストーンズも1971年、自分たちのレーベル、

ローリングストーンズレーベルを立ち上げ配給契約をアトランティックと結びます。

レーベルの社長にはチェスレコード の息子マーシャルチェスさんが就任。

信頼できる好きな仲間で周りを固めるストーンズらしい話です。

 

2006年10月ニューヨークで行われたストーンズのライブに訪れたアーメットアーティガンさん会場で倒れ

そのまま帰らぬ人に。享年83歳。

トムダウド いとしのレイラをミックした男

 

 

VARIOUS ARTISTS / ATLANTIC RHYTHM AND BLUES  VOLUME 1 & VOLUME 2

アトランティックレコードの初期音源集。

ロックンロールの元になるロッキンブルース、ロッキンジャズ、

ジャンプブルースなどインストから歌ものバラード、

コーラスものまでご機嫌なナンバー多数。純粋なブルースっぽいものはほぼ無い。

チェスレコードとは違う感触。リズムが跳ねて、覚えやすいメロディばかり。

アトランティック初のヒット曲スティックマギーの楽しい曲

「DRINKIN’WINE SPO-DEE-O-DEE」がある意味このレーベルの路線を決定付けたのかも。

一番好きな曲はVOL.2のC面、コーズ(THE CHORDS)のSH-BOOM シュブーン

何度聴いてもウキウキしてしまいます、120点のGROOVE。

途中で出てくるベースヴォーカルパート、間奏のサックス、完璧。

 

 

 

 

RUTH BROWN / RUTH BROWN

ルースブラウンさん1928年ヴァージニア州ポーツマス生まれ。

ダイナミックに歌うアトランティックの歌姫。

B面1曲めの「MAMA HE TREATS YOUR DAUGHTER MEAN」

(ママ、あの人ひどいのよと歌う告げ口ソング)声が裏返る感じが実にキュート。

ソングライターチーム、リーバー&ストーラー作の

「LUCKY LIPS」も晴れやかな気分なのにキュンときてしまう。好きです。

 

 

 

 

JOE TURNER / HIS GREATEST RECORDINGS

(ビッグ)ジョーターナーさん1911年ミズーリ州カンサスシティ生まれ。

いろんなレコード会社を経てアトランティックへ。

年齢も一番年長?アーメットアーティガンさんが1923年生まれだから10歳以上年上。

私の勝手なイメージですが豪快というより、

しなやかで芸達者で機転がきいてスマートな感性を持ったおじさん。

有名曲「SHAKE RATTLE AND ROLL」の印象もあるんですが、

「FLIP FLOP AND FLY」も洒落た感じがするし

ブリティッシュビートグループTHE SORROWSがカヴァーした

「TEENAGE LETTER」もかるーい感じでかっこいい。

 

 

 

 

 

THE CLOVERS / THE CLOVERS

アトランティックのヴォーカルグループといえばドリフターズ、コースターズ、そしてクローヴァーズ。

3つともアトランティック代表というよりドゥーワップミュージックを代表するレジェンドグループ。

クローヴァーズはメンバーの中に何故かギターの人がいます。理由はわかりません。

A面の初期作品はこれぞアトランティックR&Bって感じのものがずらり。

有名曲「DEVIL OR ANGEL」以降のB面は甘く繊細なハーモニー系あり。どちらも好きです。

 

 

 

 

CLYDE McPHATER / CLYDE McPHATER

クライドマクファターさん1933年ノースキャロナイナ州ダラム生まれ。

牧師の息子。ゴスペル出身。名門のドミノズ、ドリフターズを経てソロシンガーへ。

何と言ってもクライドさんは声が特徴的。

やや高めの音域で軽快な曲からしっとり切ない系までサラっと歌いこなす。

「LONG LONELY NIGHT」「GONE」など素敵です。

特に好きなものは ルースブラウンさんとのデュエット曲

「LOVE HAS JOINED US TOGETHER」は名曲、名演、しびれます。

 

 

 

 

RAY CHARLES / HIS ALL TIME GREAT PERFORMANCES

レイチャールズさん1930年ジョージア州オルバニー生まれ。

6歳の時、熱病で盲目となる。

どんなタイプの曲でもレイさん流シャウトでゴスペルソウル風味にしてしまう。

ニューオリンズっぽい疾走感の「MESS AROUND」

じわじわと迫り来る「LONELY AVENUE」怪しく踊る感じの「MARY ANN」

ラテン風?コール&レスポンスナンバー「WHAT’D I SAY」などレイさんならではの世界観。

アトランティック全盛期の立役者。

 

 

 

 

CHUCK WILLIS / THE KING OF THE STROLL

チャックウィリスさん1928年ジョージア州アトランタ生まれ。

30歳、約2年間の活動のみで不運の死。

おおらかにシャウト、まっすぐに伸びる声が気持ちいい。

バラード系「IT’S TOO LATE」哀愁あります。

自作曲「WHATCHA GONNA DO」も心に響く歌いっぷり。

 

 

 

 

SOLOMON BURKE / BEST OF SOLOMON BURKE

ソロモンバークさん 1936年ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。

ゴスペル出身。ディープなシャウトと深みがある歌い回しで説得力抜群。

楽曲もいい。ニューヨーク録音ですが南部の泥臭い質感あり。

「IF YOU NEED ME」「CRY TO ME」胸を打たれます。

「EVERYBODY NEED SOMEBODY TO LOVE」ライブ風録音もグッド。

 

 

 

 

WILSON PICKETT / THE EXCITING 1966

ウィルソンピケットさん1941年アラバマ州プラットビル生まれ。デトロイト育ち。

ヴォーカルグループ、ファルコンズを経てソロへ。

A面がマッスルショールズ、フェイムスタジオ録音。

B面がメンフィス、スタックス録音と分かれていますがウィルピケ兄さんのど迫力で気にもならない。

熱くてマッチョなウィルピケさんが「さあ!盛り上がろうぜ」とシャウト。

ダンス天国、1,2,3,の掛け声2回技、ライブ会場は一気にピークに、、、そんなイメージです。

 

 

 

SAM & DAVE / SOUL SISTER BROWN SUGAR

サムムーアさん1935年フロリダ州マイアミ生まれ。

デイブプレイターさん1937年ジョージア州オシラ生まれ。

SOULSVILLEスタックスとアトランティック契約時代黄金期を象徴するダブルダイナマイト。

バックもスタックス最強バンドMGズ。キーボードブッカーTさん、ギタースティーブクロッパーさん、

ベースドナルドダックダンさん、ドラムアルジャクスンさん。

高い声がサムさん、低いのがデイブさん。

「HOLD ON I’M COMIN’」「SOUL MAN」「I THANK YOU」などノリノリ曲完璧!

それを上回る「WHEN SOMETHING IS WRONG WITH MY BABY」と

「I CAN’T STAND UP FOR FALLING DOWN」魂揺さぶるバラード2曲あり。

 

 

 

 

JOE TEX / HOLD WHAT YOU’VE GOT  1965

ジョーテックスさん1936年テキサス州ロジャース生まれ。

ジョーさんはナッシュビルのダイアルというレコード会社所属。

このアルバムは1965年アトランティックがダイアルと販売契約してからの1枚目。

ここから全国区にのし上がる。

イメージはサービス精神旺盛、このアルバムには入ってませんがノベルティソング?に近い、

文句なしに楽しいダンスナンバー「LETTER SONG」みたいなものもやるし、

映像を見るとジェイムスブラウンさんのダンスにそっくりだったり歌が上手いだけではない。

バラード系もタイトル曲「HOLD WHAT YOU’VE GOT」や

「YOU BETTER GET IT」もしみじみと印象に残ります。

 

 

 

 

ARTHUR CONLEY / SWEET SOUL MUSIC  1967

アーサーコンレイさん1946年ジョージア州アトランタ生まれ。

このアトランティック特集の中で一番の若手。オーティスレディングさんの前で歌って見出されてデビュー。

オーティスの弟子。

アルバム全体いいのですがタイトル曲オーティスさんとの共作「SWEET SOUL MUSIC」に尽きます。

ジャケット写真&デザイン好きです。

写真4隅のケラレ(黒く落ちてる)が妙にいい。アール・ヌーボー風ソファに

カメラ目線の女性。スウィートな感じがベリーグッド。

 

 

 

 

OTIS REDDING / OTIS BLUE  1965

オーティスレディングさん。1941年ジョージア州ドウスン生まれ。牧師の息子、ゴスペル出身。

リトルリチャードやジャンプブルースに影響を受けシンガーの道へ。1964年LPデビュー。

スタックスレコードといえばビッグオー、オーティスさん。

録音に立ち会ったアトランティックのトムダウドさんもジェリーウェクスラーさんも絶賛。

オーティスさんの人柄もよかったんでしょうね。約5年活動の後、飛行機事故で死亡。享年26歳。

オーティスさんが尊敬するサムクックさんのカヴァー3曲、ソロモンバークさん、テンプテーションズ、

BBキングさん、ウィリアムベルさんのカヴァー、そしてストーンズの「SATISFACTION」逆カヴァー?

本人はストーンズの曲を聞かないまま歌ったという伝説あり。そんなことあるかいな?

カヴァー曲中心ではあるがオーティスさんオリジナルの2曲が素晴らしい。

「RISPECT」そして「I’VE BEEN LOVING YOU TOO LONG」(愛しすぎて)

豪快でしゃがれ気味のデカ声。泥臭さと繊細さを併せ持つ天性の才能。

完全燃焼で歌い切る。高温多湿。

 

 

 

 

VARIOUS ARTISTS / SOUL DEEP 2 & 3  1974

ソウルミュージックの第一人者、桜井ユタカさん編集のアトランティック関係ソウルオムニバスシリーズ。

桜井ユタカさんは2013年にお亡くなりになりました。享年71歳。

長年にわたりR&B、ソウル系の日本盤ライナーノーツなど手がけ

日本にソウルミュージックを紹介し続けてきた方。

こんな方がいらっしゃったから自分たちも歴史なり背景なりを理解して

レコードを聴くことができるんですね。感謝。

残念なことにSOUL DEEP VOL1は持っていません。

VOL2 & VOL3合わせて全24曲。まさにディープ。

VOL.3のハイライトがSOUL CLANというグループ名の「THAT’S HOW IT FEEL」

ソウルアーティストがたくさんいたアトランティックならではの企画もの。

若手のアーサーコンレーを中心にソロモンバーク、ジョーテックス、

ドンコヴェイ、ベンEキング5人で歌い綴る、

ウィアーザワールド方式?ソウル版。曲はドンコヴェイ&ボビーウーマック作のスローバラード。

企画物なのに素晴らしい!!さすがアトランティック!!

 

 

 

 

VARIOUS ARTISTS / A TOUCH OF SOUL VOL.1 & VOL.2  1981

こちらも同じく桜井ユタカさん編集のA TOUCH OF SOULシリーズ。

VOL1はグループモノと女性シンガー、VOL2は男性シンガー中心。

ソウルディープシリーズのジャケとは違いイラストジャケ。好きです。全24曲 駄曲ほぼなし。